研究内容

①フォトンカウンティング技術を用いた新たな乳がん診断画像の開発

 近年、フォトンカウンティング技術の医療分野への展開が期待されています。フォトンカウンティング型X線検出器では、X線光子1個1個のエネルギーを解析できるため、人体組織の物質同定が可能となります。物質同定は、従来のX線画像にはない利点の1つです。
 当研究室では、フォトンカウンティング技術を乳がん診断に応用すべく研究を進めています。乳がん検診で用いられている従来の乳房X線撮影検査(マンモグラフィ検査)では、乳腺密度の高い乳房(デンスブレスト)における乳がんの検出限界が懸念となっています。この課題を解決するために、放射線計測学・放射線医学・画像工学の知識を駆使して、チームで取り組んでいます。

②コーンビームCT撮影における患者被ばく線量の推定手法の考案

 コーンビームCT(CBCT)装置は、通常のCT装置に比べて高い空間分解能が得られる等のメリットから幅広い診療科に急速に普及しつつあり、将来的には医療被ばくの重要な要因となることが予想されています。しかし、CBCTはその特徴的なスキャン方式により、患者の被ばく線量を適切に推定する手法が確立されていません。
 当研究室では、理論・実測・モンテカルロシミュレーションなどの様々なアプローチを用いて、CBCT検査における線量評価法の提案に取り組んでいます。適切な患者被ばく線量管理に基づく理想的な放射線検査を提供することで、患者さんが安心して放射線検査を受けられることに繋がるよう期待しています。

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